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S×強気で恋になる

第66章 慣れと諦め

ふらふらっと帰ってきて
俺の顔を見て純平が俯く

「・・・疲れてんだろ。寝ろ。・・・俺今日部屋帰るわ」
「・・・・・・・。真一・・・っ、・・」

「なんだよ、泣くなよ。大人だろ?っーか男だろ?泣くな、わかんねぇ、純平いいから、こっちこい」

そう言うのに、ただ立ってウルウルしている純平の手を引きベットに戻す

でも、手を引かれるのも嫌なんじゃないかって思い
ベットにつくとすぐ手を離した

「明日祝日だから、ゆっくり寝ろ。な?・・・俺の横にいるんだから、力抜けよ。安心するだろ?な?」


「・・・・・・・真一のばか・・・」


「俺のせいだよな、ごめん。・・・純平・・・抱きしめていい?」



「・・だめ・・・に・・決まってんだろ・・・っ・・」
目に涙をためながら純平にそう言われる


俺は思わず純平を引き寄せ
胸に顔がうずくまるほど抱きしめていた

「うるせーよ。お前は俺のモノだろ?俺のもんなの」

「・・・っ、や、・・・めちゃくちゃ・・ばっか・・・っん、・・・」

「黙れ。目を閉じろ。寝ろよ」

真一がそう言って俺の頭をわしゃっと撫でる

最初は嫌悪感で体がビクッとなったけど
真一が強く抵抗できないくらい抱きしめ
だんだん体の力が抜けてくる


俺は与えられる体温の中で
真一の香水の染み付いた匂いを嗅ぎながら
涙を拭ってゆっくり目を閉じた








小さく息をする純平の顔に視線を移すと、目を閉じて寝てしまっている姿が見えた

俺は大きくため息をついていた


ったく・・・
ビクビクすんなよ・・・
俺だろ?

チュッとキスを落としながら布団をしっかりかけた

明日は祝日か・・・
俺の家行こうか?嫌か?


お袋がお前に会いたがってる
お袋と和也と買い物でもしてこい

その方が俺と二人より楽しいだろ?


また痩せたな・・・

そう思いながらしっかり背中まで抱きしめて
俺も目を閉じた


神でもなんでもいるなら
純平をもっと幸せにしてやれよ・・・

神なんか信じない俺様だった俺が
目を閉じながら、そんなことを思い、そして祈った






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