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S×強気で恋になる

第66章 慣れと諦め




「おい。お前コーヒー入れてんだから飲めよ。」
「うるせーな。猫舌なの知っててんなこと言うな、・・まだ熱い」

そう言って、純平がぬるいコーヒーに牛乳を入れる

「・・・・・ガキだな。」
「ガキじゃねーし!」
「じゃあなんでピーマンよけてんの?俺チーズの下に入れて焼いたはずなんだけど。」
「っ、それは・・・俺後から食べる派、だからさ・・」
「てっきり前みたいに、残して席から離れるのかと思った」
「ピーマンあげる。ほら、うまいぞー?」
「黙れ。遊んでないで、さっさと食えよ。お前絶対給食食うの遅かったろ」
「いや?給食は早かった。おかわりしなくちゃいけなかったしー。ヨーグルトなかったっけ?」
「あー、出してなかったな。冷蔵庫にある」

そう言うと、純平がフラッと取りに行く

・・・そーだった
ガキの頃、給食しか食ってなかったって
言ってたな

仲のいい女の子が
お菓子とか持ってきてくれたり
少食の子のパンもらったりしてたって

そりゃあ、生きるか死ぬかだったろーし


そう思ってると純平が戻ってくる

「お前さ、今日暇?」
「・・・遊びに行ったらキレるくせに、よくそんなこと聞けるな。」
「それは躾だろ。主人がいるのに、休日勝手に出かける犬がいるか。で、どっちなんだ」
「・・・暇だ、けど。」
「お前冬服欲しいってたろ。和也と買い物行ってこいよ。俺も用事すませたら実家行くから、お袋もお前に会いたがってるし」

そう言うと、無表情だった純平の顔が急に明るくなる

「え?!まじ?行く行く!和也と買い物楽しいし!・・・いや、・・・岡崎との、ほーが・・・楽しいけど、・・さ、・・」
「だよなぁ?!和也が一番だったら、お前のことぶっ殺してるよなぁ?俺が一番だよな?」

ぎゃー
怒ってる

怖い、いきなり怖い

「・・たりめーだろ?・・・ご馳走さまー」

そう言って、サッと寝室に純平が戻る

皿を見るとピーマンだけ
ちゃっかり残していた


これ絶対、お仕置き誘ってるだろ
まじドMだよな


今日はしねーけど
いい加減にしろよ、ガキ

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