S×強気で恋になる
第66章 慣れと諦め
「てめぇ!聞いてんのか!!!」
「あははー、また怒ったー!和也、・・・水あるー?」
「あるよ。待ってな」
「おい、和也!お前ら無視すんなよ!」
「うるせーな。楽しく飲んでんだから、説教すんなよ。そんなんだから、純平の親みたいな立ち位置なってんだろ?実は世話焼きお人好しのくせに、ばーか。」
そう言って、水を取りに部屋を出る和也を見ながら
純平が俺に向かってニコッとした
「あははー、ばーか」
「・・・・・」
・・・もうやだ、純平
ばかはお前だろ
酔っ払っいめ
まじ可愛いな。・・・俺もうメロメロだぞ、この野郎
そう思いながら、純平のグラスを奪って
ワインを口に運ぶ
「・・・美紗子さんと仲良くなったのか?」
「・・・・うん、・・・いいな、真一、お母さんあんないい人で、幸せだな、」
「・・・そうだな。また話し相手になってやれ。」
「・・・うん、・・・俺な、親父さんと目元口元そっくりって言われたー・・・似てる?見てー、似てる?」
「確かに、言われてみると似てるな・・・皺がなかったら、親父こんなんかもな。・・・嬉しいのか?」
「嬉しいー・・・お前とも似てるってことだろー?似てる?似てるー?」
「俺とは似てねぇよ。・・・あ、和也。あー、和也にはちょっと似てるか?なぁ、和也こっちこい。」
「!!やだよ!っーか、似てねぇだろ。どー見ても。純平はイケメンってより、美少年っーか綺麗目だろ?俺たちとは系統ちげーよ。ほら、水」
「なーに怒っちゃって。やな感じ。なー?やな感じだな、純平」
「似てるー、って話だったのになー・・・あ、水ありがと」
俺の気にしすぎか・・・・
誰かに話して楽になりてーけど
やっぱり俺の中に置いとかないとな
純平が虐待で放置されて
新聞載ってた記事があったことも
多分純平の生みの母親と親父が一緒に
写ってる写真があったことも
俺はため息をつきながら、また椅子に座った