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S×強気で恋になる

第66章 慣れと諦め



「いつまで拗ねてる。さっきまで、和也と美紗子さんと朝ごはん食って、ご機嫌だったくせに。」
「うるせーな。黙って運転しろよ」
「接待デーにしたいわけ?やっぱり、もっときつーいお仕置き必要みたいだな。で、話したかったことは?昨日なんか言いかけてたろ。」
「ふざけんな。・・・酔っ払ってて覚えてねーよ。」

だけど、頭に浮かぶ言葉。

ー生まれてきてくれてありがとう
ーうちの息子みたいだわ

そんな優しい言葉を思い出すたびに
胸があったかくなって
俺は幸せを噛み締めていた

「今思い出してたろ。言えよ。あ、・・・藤間がお前と友達になりたいって。今度飯行くか」
「あぁ。・・・藤間先生か・・恩人だしな・・」
「あと、日曜。SM愛好家の総会だから、お前来いよ?」
「!!やだよ!絶対嫌!」
「・・・前約束したろ。それだけは来るって。覚えてねぇの?大丈夫、全裸で首輪つけるだけだし、床はカーペットだし。あんま歩かせねーよーにするから。」
「ばかか!いろんな人が来てるんだろ!?やだよ、見られるだろ!」
「・・・俺のものに手ェ出すやついねーよ。よく、交尾させだす奴らいるけど、どの犬もお前に触らせねーから。足で揉まれるくらい我慢しろ。」

「無理。い、や、だ!一人で勝手に行け。あ・・・・俺の裸、お前にだけに見てほしい、から・・・」

「43ページのセリフだろ。俺も片瀬が貸してくれたぞ、その本。お前がちょいちょい可愛いこと言うから、変だと思ったんだよな。お前、今日接待な。」

っー!!!
片瀬、何考えてんだよ!!!
Sなやつに、Sが喜ぶセリフ書いてる本貸してどーすんだ!!!
ざけんなー!!!!
呪うぞ、お前!!


そう一瞬で思いながら
俺は鞄を手にした

「止めたら降りよう、って?アホだな。ほーら、チャイルドロック。勝手に降りたら危ないでちゅよー」
「バカバカバカ!!!ふざけんな!俺、特別扱いだろ!そんなに会社休めるかよ!!」
「お前嫌いやつなんかいねーだろ。気にすんな。会社行って浮気する気だな?」
「しねーってば!お前、そーゆーとこ、しつこい!っーか、ねちっこい!」
「・・・・・・・」

やっ、やべ・・・


「ちょ、ごめ、言い過ぎたから、俺が悪かった、から、降ろして!!」
「なんでもする?」

っもー!!!!
こいつどーにかしろよ!!!!

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