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S×強気で恋になる

第70章 出張大波乱!


「・・・楓くん?・・・近くね?あー、座る?」
「・・・・・・」

っ、なんなんだよ!!
近づいてくんなよ!!

なんかわからないけど
真ちゃんより少し背の低い俺としては
真ちゃんくらい大きな奴が
俺の目を睨みながらじりっと近づいてきていて

大学4年の青春真っ盛りの俺は
完全に慌てていた


「なに?俺なんかした?・・・え、っ、ちょ!!」

突然ぐっと両肩をもたれ
本気で体が震え出す

「・・・俺のこと楓って呼んでいいの、恋人だけってきめてんだよね。あんたさ、俺の恋人ってこと?なってくれんの?・・・楓って呼べよ」

「っ、知らなかった、ごめん!名字なんだっけ・・・楓く・・・!!!!!!」

クチュックチュ・・・クチュクチュ・・チュプ・・・



!!!!



は?!




俺男にキスされて・・・!!!、



はっとして、足で蹴り上げると藤間がふわっと離れる

「震えてるし、本当に岡崎のアニキ?本気になりそーだろ?・・・ごちそーさん」
「っ、なにしゃがんだ!!!!てめぇ、ふざけんなよ!!!っ、くそ!!」


そのまま部屋奥のシャワールームに向かい
口を洗うと

後ろから抱きしめられる


「男で、俺のこと楓って呼んだのあんたが初めて。・・・キスしてごめんね」
「っーーーー!!!!」


そう言って、またふわっと離れると
真ちゃんが戻ってくる

「藤間、俺の部屋いこーぜ。和也、またな」
「和也。俺の名前、トーマ。忘れんなよー!」
「っ・・・・・」


うるせぇ・・・年下のくせに・・・


初めて男とキスしてしまった
意外と・・・柔らかいんだな・・・



っ、忘れよう




ーーーーーーーー



そう思ってからずっと避けてきたし
真ちゃんにも理由は言ってないけど、
藤間は嫌いだって言ってたから
あいつ知ってるはずなのに


兄の意見より純平の護衛を、優先しやがって・・・!!



俺こそ仕事どころじゃねぇ



いや、
俺の意識しすぎか


あれから10年近くたってんだ


容姿端麗なんだから
恋人ぐらいいるだろーし

過去にこだわるのはかっこ悪いな


そう思って、やっと整理ができたところで
藤間がいきなりぶっこんできた

「年取ったわりに、まだ若いしイケてんだな和也。また楓くんって呼んでくれんのかと期待してたのに。」




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