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S×強気で恋になる

第72章 榊原純平


「おい。サラダ残すなよ」
「わかってるよ!!・・後から食べんだよ、るせーなー」

そんなやり取りをしながら
机の向こうに座る純平を見る

昼間のことが嘘みたいに
いつも通り無口で口の悪い純平に
なっていた

昼間あんなに泣きそうだったくせに
理由くらい言えよ・・・!

「お前、昼のなんだったわけ?」
「・・・べつに・・・・・」

そう言う純平をみて、俺はため息をつきながらフォークを置いた

「お前さー、甘えるなよ。俺も人間だぞ。お前がいつまでたってもそんなんだとな、一緒にいる意味ねぇだろ。・・・なんも心配しなくていいって言ってんのに、なんで強がる。お前のそーゆーとこ、理解できねぇ」

頼ってくれなきゃ、俺がいる意味ねーんだよ!!
ボランティアじゃねーんだぞ!!!

そっ思いながら黙って立ち上がるのに、
純平は俯いたままで
何も言い返してこないことにも
俺はイラつきを覚えた

くそ・・・っ!!!

お前の本音はどこにあんだよ!!!!


カッとなる心を抑えて
俯いたままの純平の両肩を持ち
頬をペチッと軽く叩く

一瞬こっちを見る大きな目は
赤く充血していて
純平の言いたい事を必死に汲み取ろうとした

けど、そんなの俺の自己満足で
結局お前のことは何も教えてくんねー

俺は・・・・


「・・・・。お前は昔と違うんだから。そーだろ?お前自身、本当はわかってるくせに逃げんなよ。俺からも・・・。」

そう言ってじっと目を見ても
目を合わせようとしない純平の頭を撫でる



まあ、
今は放っておくか・・・


そう思って、俺はそのまま風呂に行く


一度振り返ったとき
純平が泣いているのに気づいて
抱きしめたくなったけど

あいつのためだ、って思って

あえて放っておいた

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