S×強気で恋になる
第72章 榊原純平
多めにはったお湯にザブンと浸かる
俺はずっと出会った時の頃から
あいつのことを思い出していた
そのまま軽く目を閉じると
カタン、とドアが開く音がする
そして目を開けると同時に
純平が俺の横に入ってきた
ザバー!!!!
っと大きな湯船から並々にはったお湯が溢れ出て行く
そんなことよりも
風呂に入ってくると思わなかったから
俺はかなり驚いていた
「サラダは食い終わったのか」
「・・まだ、だけど・・・」
「悪い子だな。残して先風呂か。」
そう言って、純平の顔を見ると
ほんの少し何か言いたそうだった
それなのに、なかなか言わない純平を見て俺はまたため息をついた
「和也や片瀬だったらなんでも話せるんだろ?俺に言えないなら、そいつらに聞いてもらえ。俺に無理して話さなくていい」
そう言って、風呂から出ようとすると純平が俺の手を握る
「・・・。俺は怒ってないし、責めてもない。だから純平が無理する必要もない。・・・笑えって」
「俺・・・・・真一といたい・・・」
「だからさ、別に・・・・・え?・・はぁ?!!!!」
俺が驚いたからか
純平はもっとビクッてなって
俺からちょっと離れる
そんな純平の腕を引っ張りながら俺は嬉しくてたまらなくて、純平の方を見た
「ってことは、なに、純平。詳しく、俺に教えて、その気持ち」
「はぁ?・・・だから、なんつーか、・・・・・俺には居心地良すぎて不安になるし、・・・痛いの嫌いだし・・・、だけど、」
「だけど?」
「・・・ここしか、ないから、俺の・・・場所も・・・・俺の・・存在意義も・・。だから、お前・・・・俺のこと・・・」
そこまで言えた純平をガバッと抱きしめる
「絶対捨てない。裏切らない。俺は嘘は言わない」
「・・・・・・・・・・うん」
そのまま湯船で
ダラダラ抱きしめてると、やっぱりどうも息子が騒ぎ出して
俺はそのまま微睡んでいたかった純平を
押し倒した