テキストサイズ

S×強気で恋になる

第72章 榊原純平


「ねーねー真一、聞いてんのー?ねーってば!!」
「・・・・・俺もー眠いんだから、お前同じ話ばっかすんな・・・わかったから、」
「そーじゃな、・・・なぁ、見てー・・」
「見た聞いた分かったー・・・ちょっと眠いんだって」

そう言いながら、しょぼしょぼする目で
焦点をなんとか合わせて
ウロウロする純平の腕を握りそばに座らせる

「やーだって、ば・・・はーなーしーてー!!」
「だめ。お前勝手にどっか行くだろー?」
「なんで、・・・家帰らなきゃ・・・怒られるもんー」

ここが家だろーが

そう言いたいのに、ものすごく眠くて そのまま引き込まれるように目の前が暗くなったり明るくなったりする

純平の高い体温が近くにあるだけで
より眠くなって
ベロベロになってる純平の腕を掴んだまま
俺は目を閉じ、次第に手も緩んで腕なんか離していた


「ねーねー・・・真一?寝ないで、先に寝ないで・・!!」

グラグラとゆするのに
真一は寝たまんまで急にシンとした部屋が
寂しくて怖く感じ出す

自分が何がしたいのかも
どうなってるのかも
全然考えられなくて

なんかわからないけど、まだ話し足りなくて
気付けば岡崎の家の前にいた


寒くて寒くて酔いもほんのり冷めてきて
だんだんどーしていいかわからなくなら


今度は眠くなって
俺はスウェットのまま岡崎の実家の玄関前で
しゃがんで

そこからなんとなくの記憶すらも途切れた

ストーリーメニュー

TOPTOPへ