S×強気で恋になる
第73章 これが俺
「純平。まだ理解できないのはわかる。だから、もうここでじっとしてろ。な?外は危ないから、ここにいて、俺の言うこと聞いてたらいい」
そう言っていやに優しい手付きで
俺の頭を撫でる
いつそれが拳になって
いつ俺に牙を向くか分からなくて
俺はずっと固まっていた
ずっとずっと考えてるのに
全然答えが見えなくて
・・・息がしずらかった
「・・・・・・真一に何も言って・・」
「まだわかんねーのか!!!くそ、あいつこんなに依存させやがって!!!捨てられたの、お前は!!!もういらねーって言われてんだ!!」
ぽんぽんと撫でてた手がとまり
ギリっと俺を締め付ける
「っ、・・痛い・・・から・・・!!」
「俺はお前のためを思っていってんだから。な?飯食うか?俺な、桜田さんって人からお金たくさんもらってっから金には困ってねーんだよ。美味いの作ってやるから、な?」
「・・・・・・」
「栄養剤でも飲むか?」
急にそんなことを言って俺の唇を触る
何度も何度もされた手付きで
わかってるのに
でも、わかってるからこそ
俺は薄っすら口をあけ
入ってくる錠剤を飲んだ
これ飲んだら楽になれる
なんもかんも感じなくていいし
そう思っていると眠くなって
制御できなくて目を閉じた
細っこい体が、ベットに倒れてまあるくなる
俺はそれを見て、ニヤニヤしていた
安藤ってやつ、使えねー奴隷かと思ったら
めちゃくちゃ使えた
まさか隆彦さんが裏切るとは
思わなかったし
奇跡のタイミングだよな
酔っ払ってわけわかんねーまま拉致れて、
しかも俺の話結構信じてるっぽいし
面白い
こんないいオモチャてばなすわけないだろ
こんなに美人で美形で
泣き虫で俺に怯える奴
怯えてるくせに、たまに甘えようとしてくるのがまた可愛いだな。
1、2ヶ月は優しくしてたら
忘れるだろ。
俺もそれまで我慢だ
純平を守ってやった
正義のヒーローの立場だからな
サラサラと髪の毛を撫でてもピクリともしなくて、俺はそのまま買い物に行った