S×強気で恋になる
第73章 これが俺
勤務なんかどーでもよかった
もしかしたら、あいつのことだから
うまいパン買ってきたとか言って
帰ってきそうな気もする
けど、
純平のことになると、どうも
感情がコントロールできなくて
誰かに触られてたら
もしなんかあったらって思うと
どうしようもないくらい
腹立たしくて
不安で
心配で
俺は国道をかっ飛ばしていた
桜町の小さな施設
純平が前いなくなったとき
ここにいたから
もしかしたらって
・・・すがる思いで門をくぐる
朝だからか、庭には人影がなくて
俺はドアを開けて施設に入った
・・・・・園長のとこだな
その方が早い
そう思って歩くと
突然誰かに後ろから抱きつかれた
「!!!」
「岡崎さんだー!!!」
あまりに小さな子供に抱きつかれて
いつから子供に懐かれるようになったかと
俺は驚きつつ
振り返って俺なりの笑顔をみせた
「慎吾。久しぶりだな。純平きてるか知ってるか?」
そう言うと、首を横に振り
また俺なんかに笑顔を向ける
「土曜日遊園地、行ってくれるんでしょ?純くんが言ってた!・・・約束だよね?」
「え?・・・うん、約束・・・だな。純くん、他に何か言ってた?」
そう言って、抱きしめたあとひょいと抱き上げる
そしたら慎吾があまりに嬉しそうな顔をするから
俺は純平を思い出していた
「岡崎さん、恥ずかしいから、降ろしてー!」
「そうか?ぎゅーってまたしてやろーな?慎吾はいい子だから」
「・・・ありがとう。嬉しい!」
純平もこんくらい素直ならいいのに
そう思いながら、急に俺は何をしてんだと
我に返って慎吾を降ろす
「あのね、前ね純くんが・・・」
ー不安は消えないけど孤独はなくなる、か
ガキにあいつなに言ってんだ
どーゆー意味って聞かれても
うまく説明できなかったろ
でも
ーあと、真一が眩しいんだって。真一とずっと一緒にいたいって言ってたよ
ずっと一緒・・・
あいつどこいった?
家戻ってっかな?
まだあったかい車内に戻って
再びエンジンをつけた