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S×強気で恋になる

第74章 バカ犬

もう夜中になっていた

夕方しばらく出かけたが
純平は起きなかったみたいで、布団のズレすらなかった

そんな純平の頭を撫でつつ
俺は鳴った携帯を持って
リビングに向かった


ーあぁ。和也、ありがとな。藤間によろしく。は?隆彦。あいつはまた2人でじっくり話し合う。じゃ、


そう電話を切ってまた、寝室に戻るが
純平はよっぽど寝不足だったのか
ずっと寝たままだった

小さなライトの灯りをつけて
純平の寝顔を見ていると部屋のドアが
あいたことに気付く

俺は立ち上がりあいたドアに静かに近づいた

「どした?目覚めたのか?」

そうささやくと慎吾は寝ぼけた顔で
こくんと頷き
俺に抱きついてくる

・・・俺はいつからガキに好かれるようになったんだ



遊園地を純平がすっぽかした日に
電話でなぐさめたのも俺

純平に会いたいって言うから
園長に外泊届をもらって
夕方迎えに行ったのも俺

もうこんなん俺じゃねーよ
そう思いながら、半ばぐずるように
俺に抱きつく慎吾を抱き上げる

小児科の片瀬のがガキ扱いうまいはずなんだけど・・・こんなになつかれたら、なんか変な気分だ


そう思いながら、慎吾を片手で抱いて
寝室を出た

「?どこ行くの?」
「トイレ行っとけ。それでお前も一緒に寝るぞ。返事」
「・・・うん。喉乾いた・・」
「喉乾いたか。あったかいお茶飲んで寝るか?」
「岡崎さん好きー・・・」

そう言ってニコニコする慎吾を
おろしてトイレに入れる

と、まだぼーっとしてるみたいだったから
後ろに立ってズボンを下ろしてあげた

「春から2年生だろ?寝ぼけるな。」

そう言って慎吾をトイレに残し
お湯を沸かしに行くが
暗いのが怖いのかなって思ってすぐ戻る

が、慎吾は暗闇を一人でウロウロしていた

「慎吾こっち。ほら、これ飲んで寝よう。なんだお前暗いの平気なのか。」
「・・・純くんまだ起きないの?」
「まだ夜中。朝には起きるだろ。・・・おいで」

そう言ってまた抱き上げると
慎吾は体を回転させて俺の首に頭を埋める

そんな慎吾の仕草にため息をつきながら
俺は寝室の布団をめくった

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