S×強気で恋になる
第74章 バカ犬
真ちゃんから
純平見つかったって連絡きてから
家帰ってねーみたい
会社終わりに見ても、病院の電気ついてなくて
俺は何してんだか不安になっていた
病院の前で立ち止まり
そのまま踵を返して歩くと
車にクラクションを鳴らされる
・・・楓・・・・・・
仕事が早く終わったのか
それとも俺のこと待ってたのか
わからないけど路肩に停めてある車の助手席に乗り込む
普段は運転手は俺なのに
楓の横では俺は助手席で
その感覚にまだ慣れてなくて
ほんの少し、その扱いに居心地が悪かった
「和也。俺のこともちょっとは考えろよ。二言目には純平、純平って・・・あいつら大丈夫だから、な?」
「あぁ。きっと真ちゃんついてるし、大丈夫だってわかってんだけど、・・・俺が隆彦からあの時力ずくで奪ってたらって・・・」
「・・・そうだな。和也、大丈夫、俺が保証する」
「・・・何も知らねーだろ、楓口ばっか。でも、ありがとな」
そう言うと、ぎゅーって俺を抱きしめて
車を走らせる
楓のさりげない優しさは
すごくあったかくて
そして真ちゃんから仲直りしたって
連絡がきて
俺はホッとして
楓の車で目を閉じて俺としたことが
寝てしまった
「・・・和也?」
寝てる・・・
いつも完璧で隙なんか見せないのに
よっぽど心配してたんだな
可愛い顔・・・
俺と一緒に寝ような?
ゆっくり腕枕して体温分かち合って
いい夢みよう
な?