S×強気で恋になる
第75章 純平×真一
浅い眠りを繰り返しながら
一人でぼーっとする
鳴り響く携帯を見たら
俊哉からの着信で
昔は名前見ただけで
あぁ、俺はこいつの奴隷なんだ
って思い知らされてた
だけど、・・・
心が動くことなく
事務的にその番号を拒否に変える
そうすることで
なんかスッキリして
俺は起き上がって大きく伸びをした
痛い腰に手を添えながら立ち上がると
真一のズボンがソファーにかかっていて
それを何となく手にとってたたむ
ベットに置く前に
少し顔に近づけるとあいつの匂いがして
俺はそのズボンをぎゅっと抱きしめた
「・・・そんなに俺の匂い好き?」
「うん。・・・・は?!え?!ちょ、!!!」
「やらしー。お前俺の匂い嗅いでんの?怖いなー、」
「っ、嗅いでねーし!!!!」
そう言って怒鳴るのに真一はヘラヘラしてて
俺はムカつくのに腰が痛くて結局よろよろしていた
「純平、和也と藤間来てるから、あっちで朝飯食うぞ。お前は三人前食え」
「え?まじ?っーか、んなに食えねーし」
「痩せたからな、もっとちょっと太れ。」
「わあってるけど、食っても太んねーし・・・」
そう言いながらよろよろ歩くと
リビングに藤間がいて
和也は英字新聞読みながら
ゆったりと座っていた
そして俺を見ると、和也が俺に近づいてきて
おもいっきり抱きしめられる
すげーあったかくて
和也が少し泣きそうな顔してたから
俺のこと心配してくれてたんだって
心配かけちゃったんだって
そう思って、俺も少し目の奥が熱くなった
「おー純平!心配かけやがって・・・。でも、本当に・・・おかえり。・・・おかえり、純平」
"おかえり"
和也が優しい声で
優しい体温で
俺にそう言うから
俺も・・・嬉しくて・・・・・
ただいまって
恥ずかしいのに
そう口にしたらまた泣いていた