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S×強気で恋になる

第76章 粉雪

「純平さ、真ちゃんともラブラブ戻ったんなら、たまにはまた二人で飲み行こうな」
「え?行く!!行きてぇ!!!」
「楓に怒られねー程度にだけど。」
「・・・俺も・・・・・だな」
「明日は会議あるから、朝早く来いよ?」
「・・・努力します。っーか、お前の弟が!!」

たわいもない話をしながら
帰路につく

和也と別れ、大通りを挟んで向かいの家まで
真っ直ぐ歩く

お出かけも寄り道も禁止

会社と家との往復は
なんとなくつまらないときもあったけど
それ以上に真一が怒るから
いつも真っ直ぐ帰っていた


のに



「やあ。横山くん。お疲れ様でございますー」
「・・・・あ、お前・・・ファイルの」
「そうそう。僕のお気に入り。まだコレクションあるんだけど、・・・お近づきの印にお茶しない?チョコレートドリンク飲みたくて」
「あー・・・チョコレートドリンク・・・?俺もチョコレート、すげー好き」

真一に怒られるって分かってるのに
チョコレートドリンクなんて
強敵が現れて俺は揺らいでいた

そんなん知らねー

どんな味なんだろ
うまいんだろーな
最近テレビも見てなかったし
ブラブラしねーから、知らなかった

そう思いながらぐるぐる考えてると
太田が財布から紙切れを出した

「見て。株主ご優待券。僕あそこの株買ってるからさ。この券君にあげる。そしたらカスタマイズしてもタダだよ?お金なら、心配ないし。行く?」


チョコレートドリンクがタダ・・・・・


「・・・・行く」


そう言うと、太田がすげー嬉しそうににこーって笑って
俺の周りにニコニコしてるやついなくて

片瀬と和也はまだ笑うけど
藤間も、その他岡崎家も
みんな怖いから

なんか太田が笑うと楽しかった

「横山くんって呼んでもいい?横ちゃん?横ちゃんは?」
「なんでもいいけど・・・」

それにこいつが紳士的っーか
強引じゃないところも
他の奴らと違って妙に新鮮で
なんか変な気分だった

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