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S×強気で恋になる

第76章 粉雪

買い物を終えて
暗い住宅街に入る

両手にスーパーの袋を持ちながら
たまに振り返って
純平がついてきているか確認する

たまにマフラー巻き直してたりしていて
離れてるときがあって

そのたびに純平って呼んで
走らせていた

「純平、早くしろ。お前歩くの遅ぇ。脚無駄に長いんだからさっさと歩けよ」

そう言って、またカツカツと歩くと
純平が走ってくる感じがして
そして、俺の左手に持っていた袋が
軽くなった

「・・・こっち持つ。」
「え?あー・・・そっち重いぞ」

そう言いながら、袋を渡して
なんとなく黙って歩く

手がなんとなく
あたったり触れたりして

俺は前を向いたまま
純平の手を握った



いつもは、外だろ?!とか
恥ずかしいから!!とか
言うくせに

純平はほんの少し握り返してくれた気がして
それがすごく嬉しくて・・・


今まで押し倒したり
エッチしてぇ!!!って
性欲だけで
純平の求めるスキンシップとは
かなりズレがあったけど

こーやって、抱きしめたり
触れたり
微睡んだり
笑いあったり


それも


なかなかいいもんだな、って
この歳になって初めて思った







「なぁ。こっち重い。交換して」


「・・・・・。お前相変わらずムードねぇな」


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