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S×強気で恋になる

第76章 粉雪


帰るときにも、俺のそばにきて
笑顔をむける

「・・・なんだよ」
「いい匂いした?真一の香水共有しようって、・・・どう?」
「うーん、俺の匂いだな。っーか、あいつが真似したんだから元祖俺!それ俺の匂い」
「いい匂い?」
「饒舌だな。ご機嫌かって。・・・いい匂いだけど、お前それつける前から爽やかな匂いしてたぞ」
「はぁ?なんもつけてねーし」

きっと洗剤とか、石鹸、シャンプー、ボディソープ
真ちゃんの残り香が混じった匂い

純平から不潔なイメージなんか
何一つなくて
高い身長も小さな顔も長い手足も
流れる髪の毛も笑顔もえくぼも

純平の全部が綺麗で
見るだけで、こいつはいい匂いだって脳が判断する

そんな感じ

それで、香水なんかつけたら
みんな引き寄せちゃって
お前大変だぞ

そう思いながら、袖をクンクンして
微笑む純平の頭を撫でる

「帰ろ。俺も仕事終わったから」
「あぁ。・・・うわ、太田また俺のこと待ってる」

そういいつつも、なんとなく楽しそうに
走り寄る純平を不安に見る

なんか仲良い・・・
あんな小太りと一緒にいたら
純平さらにモデルみてーだな

そう思いながら、なんか話してる間に入って純平のマフラーを掴む

「・・・純平、帰るぞ」
「あぁ。・・・太田も帰りか?」
「そうなんですよ。もー一人暮らしだし飯はそのへんで買うしかないんですけど。美味しいラーメン屋がありまして・・・横ちゃんも行く?」
「横ちゃんってなんだよ。純平、お前怒られるぞ」
「こいつ面白くて。俺のこといろんな呼び方すんの。あ、太田俺の家くる?」

そう言ってニコニコしてる純平にため息をつく

俺がダメだろって言おうとしたら
純平が俺の方を向いた

「初めてできた友達だから。真一だって、友達呼ぶだろ?片瀬とか・・・藤間とか・・・。和也お願い、お前も来て。」

そう小声でお願いされて
断れるわけなく
俺はしょーがねぇーなーと頷いた

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