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S×強気で恋になる

第78章 終わりは告げないで


「・・・はい」
「どうした?酔いは覚めたか?」


寝ぼけながらなのか
寝起きだからなのか

真一の声は低くて優しくて

不安やもやもやが消えていくのかわかった


「純平・・・?」

「・・・なんでもない。起こしてごめん、・・」

「ん・・・・寝ろ・・・・・」

「うん・・・」

「おやすみ・・・・」


そう言って電話を切ろうとしたけど
真一の夢を見たことを思い出す


「・・・お前の・・・お前の夢みた・・・」


「そか・・・俺をオカズにするなよ・・・?」


「しねーよ!!バカ!!」


「・・・・・うるせー・・・・・・・・・」


「真一は?夢、みた?」


いつもより優しい声で純平が
そう聞いてくる

本当はまだ帰ってきて間もなかったから
寝付けてなくて
寝てなかったけど
純平が期待してるみたいで
俺は嘘をつく


「・・・みた・・・・お前の夢・・・・・」

「・・・ほんとか?俺も・・・俺も見た・・!」

「ん・・・中学生みてーなこと言うな。寝ろって・・」

「・・・うん。・・・おやすみ・・・・・・」

「あぁ・・・・・・ーーーー」



「寝ちゃった?」



「ーーー・・・ん、・・」


「真一?」



「・・・・・・・・なに?」



「なんでもない。眠い?」



「ーーーーーー」


「真一?」



「ーーー・・・・んー?・・・」



「・・・・おやすみ」



「・・・・・んー・・・・・・・・」



「・・・・・・もう4時だって知ってた?」



「ーーーーーーー」




「・・・真一、起きてる?」




「ーーーー・・・・眠い・・・・早く寝ろ・・・・そしたら電話切るから、・・・目ぇつぶれ・・・・・・」



「・・・うん・・・昔寝れなかったとき、園長先生がな」



そう言って、寝ろってんのに、
また静かに話す純平の声は
とても心地よくて


しばらく睡魔と闘いながら
相槌をうっていたけど


そのうち俺の返答と会話が
噛み合わなくなって
純平の声が聞こえなくなって


カーテンが明るくなった頃
俺の意識はなくなった


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