
S×強気で恋になる
第79章 それぞれの地雷
何度揺すっても純平は起きなくて
仕方なくタクシーを呼び
抱きかかえて店を出る
「おい。お前、あの病院か?!どこで寝てんだ!!鍵持ってんのか?!」
「んー・・・これ・・・・」
そう言ってポケットをゴソゴソして
また目を閉じる
っ、イライラすんな!!!!
そう思いながら、ポケットを代わりに
探るとカードキーが入っていた
裏面に書いてある住所をつげて
車を走らせる
目的地についたとき
純平はフラフラしながら
目を覚まして
手を貸しながら玄関まで送ってやった
「危なっかしいな。っーか、足もつれてる。しっかり歩けよムカつくな!!」
「んー・・・・じゃ、な・・・」
そう言ってふらふら
家に入る純平を見届けて
ドアをしめる
と、純平の鞄を俺がまだ持っていることに
気付きまたドアを開けた
が、部屋は真っ暗のままで
俺は純平の名前を叫んで
呼び戻し鞄を渡した
「しっかりしろよ。そんなになるなら、もう二度とお前と酒飲まないからな。今日のことは忘れろ。じゃ。」
「・・・・んー・・・・・・・」
バタンっと扉が締まり
俺はぼーっとしながら
俺がリビングに入る
と部屋が、ほんのり明るくて
ソファの横のランプがついていることに気付いた
「・・・しん、いち?」
「・・・・・・」
「・・・あ、来てた・・・の?」
そう言って、ふらっと真一の方に行くのに
真一は俺を避けるように立ち上がった
「・・・・?」
「・・・・・・・・・帰る」
そう言って、立ち上がり出て行こうとする
真一が明らかに怒ってるのがわかって
俺はなんでか分からないけど
この空気を察して
咄嗟に真一の腕をつかんだ
「もういい・・・」
「え・・・・?」
「っ、離せってんだろ!!!!」
そんなことするつもりはなかった
純平だけは
絶対に殴らないって決めてたから
だけど
俺の腕を掴む純平に
猛烈に腹立って
ただでさえ酒臭くて酔っ払ってるのが
わかってたのに
俺は純平をぶん殴っていた
殴ったって気づいたのは
純平が床に転がってからで
どうしていいか分からなくて
俺は震える拳を見つめていた
