
S×強気で恋になる
第79章 それぞれの地雷
「っ・・・」
「あ、・・・わり、い・・・ごめ、ん・・・・」
そう言って、起こそうと
手を出したけど
純平は自力で立ち上がった
「・・・ごめん、なさい・・・・・」
初めて出会ったとき以上に
冷たくて少し怯えた目で俺を見る
そして、ふらふらっとよろけながら
純平は寝室へ入って行った
なんで隆彦・・・!!!
俺にとって隆彦は
もっとも俺の人生に入って来て欲しくない人で
俺の中で隆彦は完全に地雷だった
でも、それと同時に
純平にとって手を振り払われる以上に
しちゃいけないのが、あいつを殴ることで
過去もトラウマも知ってたのに
俺だけが理解してると豪語してたのに
結局この手で
俺は全てを壊してしまった
純平を殴ると同時に
頭の中で響いた何かが崩れ落ちる音
あぁ
俺終わった・・・・・・・・・・
感情にまかせて
理由も聞かずに
あいつ殴って
あいつに・・・あんな目・・・・・
俺は・・・・・
立ち尽くしながら
床を見ると口を切ったのか
血が落ちていた
俺拳で殴ったか
平手打ちしたか
それすら覚えてねーや・・・・・・・・
俺・・・・
兄弟以外で
初めて人を
それもすごくすごく好きな人を
殴ってしまった
