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S×強気で恋になる

第79章 それぞれの地雷



俯く純平を引っ張りながら
インターホンをおした

が、真ちゃんはいないみたいで
この間がなんとも気まずかった

「・・・和也、帰ろ、・・・真一いねぇし」
「・・・・あ、お前鍵持ってんだろ。それで入って待ってよ、な?」
「!!やだよ、約束してねーし!!」
「んなもん、必要あるか?恋人と兄貴だぞ?!約束しなきゃ家に入れねーよーな器の小さい弟じゃねぇよ。」

そう言いながら、純平に鍵を催促すると
本当に嫌そうな・・少し困った顔をされた

「・・・純平?そんなに嫌?」
「もう・・・」


まじで、もう・・・嫌われたくない


そう言いかけて俺は口を閉じた
みっともないけど、女々しいけど
本当にそう思う・・・

そのまま黙ってたら

「もう?なに?言って、」

って、和也が地面と睨めっこをする俺の顔を覗き込んだ

「・・・・なんでもない」



純平が何か言いかけたから
聞き出そうとしたのに、そう片付けられ
純平の本音はまた消えてしまう


・・・なんでもない、か


無理矢理鉢合わさせても逆効果か

誰に殴られたか
ハッキリしてねーけど


真ちゃんと喧嘩っーか
気まずくなってるのは確かだな


そう思いながら、どうしようか
考えていると
純平が顔を上げた


「帰る、俺・・・」

急に思い立ったようにそう言う純平に、
そうなりますよね
って見つめたら
純平が俺にハテナを飛ばす

「・・・送ってく。・・っても、隣のマンションか」
「一人で帰れる。過保護すんな」
「飯一緒に食った方がうまい。ほら、行くぞ」


純平はきっと
普通の人より欲もないし
悪くもない

陥れようとか裏切ろうとか
そんな悪どいことも考えてねーんだよな

「和也、せっかく来たのにごめんな、」
「本当それ。酒飲むから帰りのタクシー手配してよ?」

ったく真ちゃん
タイミング悪すぎ

そう思いながら純平のマンションのエレベーターに乗った

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