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S×強気で恋になる

第79章 それぞれの地雷



純平がカードを差し込んで
ロックを解除して扉を開けると
電気がついていた

「あれ?付けっ放し・・」
「すげーいい匂いするけど、・・・」

そう言いながら、
部屋に入りリビングの扉を開けると
完璧に盛り付けられた料理が並んでるテーブルの椅子に
座ってる真一が目に入ってきた


「!!な、んで・・・」
「っ、おせーよ!!なんでって、飯!!純平手洗って座ってろ。メイン焼くから」
「・・・・・・」
「っ、いいから!!!!飯食うぞ!!!」
「だけど・・」
「俺がお前を喜ばせれんのは、飯くらいなの!!いいから座って食え!!」

そう勢い良く怒鳴られて
俺はほんの少し心が軽くなる

俺が喜ぶ・・・真一の飯・・・・

俺に怒ってねぇのかな


そう思いながら、廊下を振り向くと
和也に背中を押される

「飯食おう、な?真ちゃん、怒ってるどころかお前の機嫌とるのに必死だろ?精一杯わがまま言えば?な?」

手を洗いながら
そんな風に言われて
俺はまたホッとした

「・・・ハンバーグだったな・・・・・」
「真ちゃんのハンバーグ好き?」
「・・・うん。多分・・トマトソース・・・」

そう言いながらスーツを脱ぎに寝室に入る

外からは、真一が和也にキレる声が聞こえた

「和也の分はねーよ!!!突然来んな!っーか、純平の家に俺の許可なく来んな!!!」
「嫉妬した?俺たち仲良しだからさ、お前と違って」
「うぜー!!!!なんなんだよ!!」

「真ちゃん、めちゃくちゃ必死だろ。・・・失うなよ」

「・・・・・必死に決まってんだろ。・・・俺だって、遊んでばっかだったから、こんなに人好きになったことねーし、こっちだって恋愛初心者なんだぞ!!!喜ばせようって思ったとき、飯作ることしかなんも浮かばねーし。セックスしたいのに、しちゃダメだって言うし、・・・純平に合わせながら、模索しながら歩いてんだよ!!だいたい手放すわけねーだろ!!嫌いだって言われても嫌いになれる自信ねーよ。ほら、わかったら、さっさと手伝えくそ和也」

そんなやり取りが
ドア越しに聞こえてきて
俺はベットにダイブした

恥ずかしくて
ほんの少し嬉しくて

いつものクールで怖い岡崎真一じゃなくて
見たことない顔で焦って怒鳴ってる
真一の顔が目に浮かんで

俺は目頭が熱くなって
それを枕に押し付けた

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