
S×強気で恋になる
第79章 それぞれの地雷
不安そうな顔してたくせに
純平を見て
ホッとした顔から
急にいつものダークな真ちゃんになってて
俺は弟が情けなくてため息をついた
「真ちゃん?顔怖いって」
俺の隣で和也がそう言って
俺に怖いよなー?って顔をする
「はぁ?!いつも通りだろ!純平、早く座って食え」
そう怒鳴られて俺たちは椅子に座った。
俺と和也が食べてる間ずっと
真一が遠くを向いていて
そのくせたまにちらっとこっちを見てきて、その仕草が真一のくせにすけー子供っぽくてなんか新鮮で・・・・
さっきまで怖かったのに
俺は笑ってしまった
「なんだよ。っ、純平・・・うまい?」
そう言って、真一が俺を見つめる
その顔を見てたら
俺も謝らなきゃって感じた
「・・・・うまい。・・あのさ、・・・その、真一、ごめん、な・・・」
そう言うと、真一がちょっと驚いた顔をして
少しお酒を飲む
そして
「・・・・・・・謝んな。俺が・・・手、出したから」
理由も聞かずに
俺が純平を殴った
ごめん
そう思いながら、純平を見ても
何も返してくれなくて
それから一言も話さずに俺たちは黙って飯を食べた
それでもなんとなく沈黙が嫌で
ずっと酒を飲んだ
「ん、ー・・・和也かえるのー?まーだーいーてー」
「んー?純平、酔っ払ったー?」
「うーん・・まだ、大丈夫・・・和也は?」
「うん。大丈夫。真ちゃんが一人で淋しがってるぞ。真ちゃんと絡めよ。俺もう帰るわ」
「えー!待ってよ・・・俺も、・・」
「ここ純平の家だろー?じゃ、真ちゃん帰るから。さっき言ったの忘れんなよ。返事。」
そう言いながら玄関に行くと
真ちゃんが見送りにきた
「はいはい。タクシー下来てるから。悪かったな巻き込んで。気をつけてな」
「何度も言うけど、焦るなよ。純平殴ったのは消えないんだからな。ちゃんと話し合え」
「・・・・うるせーバカ兄貴・・・・・・。じゃ、」
そう言ってドアを締めて
リビングに戻ると
純平はソファーでチョコレートを食っていた
