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S×強気で恋になる

第79章 それぞれの地雷


出来るだけ優しいと自分で思う声で
純平を起こそうと試みる


「純平ー?まだー?俺もトイレー!純平ー?!」

「純平ー!朝ですよー」

「あ、純平!チョコレートたくさんだぞ!おーい!!」

「純平ー・・・・・起きてお願い・・・・・」


何度も何度もトイレの前で純平に呼びかける


半ばやけくそになってきた頃
ようやく中から音がして
純平は出てこなかったけど
施錠だけ解除される音がした


「トイレ漏れるー?・・んー、・・・こーたい・・・」
「・・・寝てんじゃねーか。純平ベットで寝ろ、な?」
「ん・・・昨日・・・ごめん、な・・・」

寝ぼけながらも
昨日のことを気にする純平に
俺は胸が痛くなった

「謝ることしてねーだろ。隆彦見てイラついて殴った。もうしないから、・・」

そう言いながら
頬の傷を撫でる


俺は殴らない
俊哉と違う
安心しろって


あんなに言ってきたのに・・・
自分の矛盾具合に腹が立つ


ごめんなって思いながら純平を抱き上げる
そのままベットに運んで寝かせると純平が
急に目が覚めたのか
いきなりニコニコしだした

「あ、起きた?」
「ん、・・・真一ギューってして?なぁ、ギューって・・・足りない・・から、・・」
「うん・・・・抱きしめるだけでいい?」

そう言いながら抱きしめると
純平は目を閉じた


こんなときでも
純平の色っぽい寝顔にドキドキする自分に呆れつつ、久しぶりに純平を抱きしめて目を閉じる幸福感でいっぱいになった

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