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S×強気で恋になる

第81章 スタートライン


車を家まで走らせながら
純平を見る


もともと体調悪かったのに
藤間がマックスの分量盛るから

そんなに体力があるわけじゃない純平は
助手席でぐったりしていた

後ろでリクライニングして
寝てろったのに・・・

そう思いながら
ズレて落ちかけていた
ブランケットを掛け直す


・・・純平無理してんだろーな



肝心なところは
まだ話してくれねーし


俺は絶対裏切らないし
お前を置いて行かないってこと
こいつが苦痛を味わってきた年月分
俺が時間をかけて
教えてやらねーとな・・・・・


「・・・ん・・・・・まだ?・・・」
「起きた?高速もう降りる。具合は?」
「・・・・大丈夫」
「じゃなくて、本当は?どこがしんどい?」

いつも大丈夫、大丈夫って
お前の場合全然大丈夫じゃねーんだよ

そう思いながら
チラッと純平を見ると
ため息をつきながら目を閉じていた

「・・・・・・寝てたら治る」

顔色悪いのによく言うよ
結婚しようまで言ってんのに
甘えろっーの・・・

そう思いながら走っていると信号が赤になる

俺は純平のおでこに手を当てて
身を乗り出して純平を見た

「うん。で?俺の質問にも答えろよ。具合はどうだ?」
「・・・頭痛いだけ」
「本当にそれだけかよ。お前熱ある。寝てろ」
「・・・・・わりぃ」

わりぃ、か・・・
純平のことだろーから

心配かけてごめん、以上に
アメリカ行くのに準備が、とか
ある意味甘々なセックスしたのに
帰りがこれで申し訳ないとか

そんな余計なこと考えてんだろーな


体調悪かったのに
連れ回した俺が悪いんだ、っーの
あと藤間が悪い

っーか、藤間の責任だ


舌打ちをしながら
また純平を見る


「・・・・・・・・・。寒くないか?・・・・・寝てるか」


独り言みたいに呟きながら
俺は車を走らせた


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