S×強気で恋になる
第83章 S×強気は愛になる
どいつもこいつも使えねーやつばっか
クソ野郎だな
そう思いながら、病院のロッカー室からでる
と同僚とすれ違った
「あ、っ、岡崎、先生・・・お疲れ様・・・」
「お疲れ。お前処置遅すぎ。才能なさすぎ。」
「すみません、・・・気をつけて帰って下さいね」
「・・・お前もな」
才能なさすぎ、そう吐き捨てるのに
どこか嬉しそうな顔をされ
俺はもどかしい気持ちを抑える
ドMばっか集まりやがって
つまんねー・・・
最初は純平を泣かせなくなった
このストレスを
職場で鬼のように発散してた
みんな抵抗したり
歯向かったり
拒んだり
たまに泣いたり
俺にすがったり
すげー楽しかったのに
いまじゃ
みんなドMに目覚めちまって
つまんねーのなんねーのって
そう思いながら、
車に乗りこみエンジンをかけると
藤間が走って来て
車の窓ガラスを叩いた
「なんだ。」
「っ、お前、帰る準備、はやすぎっ、・・・っ、乗せてけ、隣だろ!」
「そんなに走ってきたわけ?・・・乗せたくなくなるなぁ」
「性格悪すぎ。早く開けろよ」
ニヤニヤした顔でそう言われ
ムカつきながら
助手席に乗り込む
言いたいことがありすぎて
俺はもどかしい気持ちを殺すように
ガムを口に含んだ
「俺、今日初日だぞ?!キツすぎ・・・」
「ばーか。甘えんな」
甘えんなって・・・
こんなにこいつが職場で帝王みてーに
降臨してるとは思わなかっただろ・・・
っーか、人遣い荒すぎ!!!
おかげでみんな必死に努力してっから
最高のチームだし
技術も最先端だけど
ドMのゲイばっかじゃねーか!!!
これで帰って
純平に甘々!?
もう納得。超納得。
これで帰って純平ヒーヒー言わせてたら
こいつの性根疑うわ
そう思いながら
岡崎を見る
涼しい顔しやがって
「岡崎、電話鳴ってる」
「・・・あぁ。」
外を見ながら電話のやりとりを聴く
聞くつもりなくても耳に入ってきて
その内容が
晩御飯なに食べたい?
とか
純平先風呂入ってていいぞ?
とか
もうすぐ着くからな
とかで真顔で大好きだよって
切るときに言うから
俺はもう笑いそうだった