S×強気で恋になる
第83章 S×強気は愛になる
「ただいまー、っと、何。お前あっちだろ。ついてくんな」
独り言のようにただいまと言って
ドアノブをガチャっと回すと
当たり前の顔で藤間がついてくるから
俺はドアから手を離した
「なに?」
「こえーって、俺の愛しの和也ちゃんがここにいるの。わかる?開けろって」
「ちょろちょろ出入りすんなって愛しの和也ちゃんに言っとけ。純平が惑わされるだろ」
「はぁ?窓んしてんのは御宅の犬だろ。それに和也ちゃんはお前の兄貴だぞ。ちょろちょろぐらいする、っーの」
はぁ?っとタンカを切る前に
藤間がドカドカ家にあがり
俺はその後ろに仕方なくついた
ったく、、、
このただいまの瞬間が
純平一番かわいいのに・・・
態度と口調はクールだけど
ずっと待ってたって顔
小さいガキみたいな
俺のほうじっと見て安心する
あの眼・・・・
あれ見るたんびに
こいつ大事にしよう
こいつの家になろうって
もう一度再確認できる
俺なりの儀式
だから
日本にいるときから
おかえり、って絶対言わせてたし
・・・言わないときは
お仕置きしてたし
そう思いながら廊下を進むと
リビングに繋がる扉が開いて
藤間に髪の毛をグシャグシャにされたのか
ちょっと乱れた純平が
部屋着のまま俺のそばにきた
「・・・おかえり。早かったな」
そう言いながらまた一歩
俺のそばにくる
「ただいま。うれしーくせに」
そう言って
右手で純平の肩を抱き寄せた
「風呂入っただろ」
長い廊下をゆっくり歩いていると
唐突にそう聞かれて意味が分からなくて俺は真一の顔を見る
「お前ボディーソープ変えた?いい匂いする。超癒される、興奮する。キスしてぇ」
急に早口でそう言われたかと思うと
背中を壁に押し付けられて
俺の自由を奪うように密着される
「っちょ、真一・・・!!」
「なに?」
「っ、顔ちけぇ、っーか、やめろって」
いつも本気でヤるときの目になってて
思わず真一から逃れようと暴れる
痛くねぇやつならヤッても
別に構わねぇと思ってる
だけど、だけど、
女みてーって笑われるかもしれねーけど
やっぱ心の準備っーか
唐突には無理!!
そう思いながら首を振ると
「俺を焦らすなんて上等だな。・・・和也とシャワー浴びた?」
なんて言うから
俺はこの状況だけどちょっと真一が愛しくなった