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S×強気で恋になる

第28章 岡崎のほうがいい

プルルルルー

「あぁ。・・・なに?」
「何じゃないだろ。お前どこ出掛けてんだ。答えろ。」
「・・・パソコンのやつ・・・買わなきゃいけねーからお前帰ってくる前に・・・行こうと思って・・・」

なんか、純平らしくない
っーか声に覇気がない

「そうか。どこの電器屋行ってんだ?」
「コホッゴホッー、ん?・・・最寄りから一駅の・・ECOんとこ・・」
「お前風邪か?・・・迎えいるか?」
「んー、大丈夫・・・ちょ、買い物すっから・・切るぞ・・ゴホッコホッー」

本当ドMだな。
晩飯も朝飯も食わずに風邪ひいて、咳しながら歩き回るなんてアホだろ。

家電量販店のトイレ連れ込んで、喘がせてぇー

そんなサド心に火を付けながら、とりあえず純平が今いるという電器屋に車で向かった。


駐車場にいれ、店に入ろうとしたときに純平を見つけた。
エレベーター前のベンチでぐったりとしていて、たぶんそこで出会ったであろう女性が水を差し出したり声をかけたりしていた。

「 あのぉ、本当に大丈夫ですかー?家まで送りましょうかー?心配なんですぅ、」
と、腕に絡みついている

「・・・疲れて休憩してるだけだから、大丈夫です。」
「えー。心配だわーっ。」

そんなやりとりを見て、俺は苦笑していた。
本当にモテるな

何が迎えいらないだ。
そこで一眠りしてから帰るつもりか。

「すみません、彼の知り合いなので大丈夫です。ご心配おかけしました。」
俺は女性に近づきそう言った。

「あっ、そーなんですかー。なんかこの人しんどそうで、、。よかったですー、」
そう言って女性は去って行く。

俺は純平に目をやり、話しかけた。

「おい、何してる。」
「はぁ?なんか頭グラグラしてっから・・・落ち着かせてんだ。・・・大丈夫だ。」
「お前バカか。こんなクーラーガンガンのとこで、じっとしてたら治るのか?」
「・・・迎え来て・・ゴホッコホッ」
「頼むのが遅い。お前お仕置きするぞ。歩けるか?」
「大丈夫だ。・・・寒い・・・」

はぁーっと、ため息をつきながら
俺は純平を車に誘導しマンションに戻った。

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