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S×強気で恋になる

第30章 沈黙


俺はフラフラと歩き、目的地につく


大きな川の近くの、俺が生まれ育った施設がそこにあった。

園長いるかな・・・
なんも手土産持ってないな・・・

「純?純だろ、俺だ。どーしたこんな夜中に。」
白髪交じりの園長がそこにいた。
「お久しぶりです。電話ばっかりですみません。園長こそ、こんな夜中になんで?」
「寝る前に夜風にあたるのが好きなんだよ。どうした?右腕骨折したのか?」
園長の周りの空気が優しくなる

泣きそう・・・
大人の男が泣いたらだめだ・・・

「純、痩せたな。また養子先でなんかあったか?今日は遅い、泊まっていけ。」


俺はなにも言わず、ただ園長の温もりと優しさに包まれて、施設のゲストルームのベッドに横になった。

「ゴールデンウイークだぞ?そんな顔してたら、せっかくの美男子が台無しだ。純、なんかあった?」

伏せて寝ている俺に優しく聞いてくる

「・・・俺、誰かに愛されたい・・・今も昔も何も変わらない・・・」


「そんなことはない。少なくとも俺や、この施設のみんなはお前が大好きだ。俺が嘘言ったことあるか?」

「・・・ない。」

「だろ?俺、お前がどうしてるかなっていつも気にかけてた。それは愛してるってことだ。みんなに愛されてお前はいるんだ。3年間社会人やってて、いろんな人と関わっただろ?みんなお前が好きだよ、俺が保証する。・・・純平?・・・寝たのか?」


パチッと電気を消し、部屋を出た。

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