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S×強気で恋になる

第11章 アルコールの罠

それから何時間かたった。

俺はかなり酔っ払っていた。
血行がよくなったせいで痛みを主張する右手。
酔ったせいで体はフラつく。
こけるかも、そうギリギリの理性で思いつつ
もう立てなかった。

夏目はー

酔っ払ってんのか?
てか酒呑んでたっけ?
それすらもわからない。

目が合うと空いたグラスにどんどん酒をつがれた。

「純平、いろんなもん溜まってるよな。俺があとで気持ちいいことしてやる。楽しみにしてろよ?」

「んだよー、それー。いましろよー。なー、夏目ー、明日祝日でよかったよなー。おれーかいしゃー、行くの仕事出来なくてーつらいー」

「いいんだよ。お前は。仕事できなくても、俺らの企画部にいてくれるだけでいいんだ。そんな顔、お前らしくないぞ」
そういって、眠たいのか
目をこすっている純平の頭を撫でる。
「ばっ、やーめろよー。おれ、体さわられんのキライって知ってんだろー。」
普段人に対してガードが高い、純平がここまで酔っ払ってる姿を夏目は初めてだ。
でも、いつもの威勢もなくて
なんか可愛すぎる。
「そうだったな。でも寝るのは、まだだめかなー。」
「てめー、寝かせろよー。っーか、まだ眠くねぇー。呑むぞー、」

純平は日本酒に手をかけた。

ピンポーン

「開けてー、隆之ー」

たっ、隆之った。こいつ今。俺のこと下の名前で呼んだ。やべえ、俺まじで今日、こいつのこと襲えるかも。
んなこと思いながら上機嫌で俺はドアを開けた。

「なつめーだーれー。早くさっき言ってた気持ちいいとかゆーのやってよ。俺ー、もーねみぃー」
純平が玄関まで聞こえる声でいっている。

「あんた、酒呑ませたの?」
開けた先にいた岡崎に凄まれる。

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