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S×強気で恋になる

第12章 ひとり

今日は激辛カレーでも作るか。
辛さが調節できるスパイスを手にとる。

と、右手を三角巾で吊るしたものすごい美人がフラつきながら、買い物カゴを持っている姿が目にはいる。

横山純平だー

俺よりは小さいが、180センチの身長と端正な顔。薄茶の髪の毛は、このスーパーには不釣合いだった。

彼に女の人が近付くのが見える。

そりゃあ、あんだけのイケメンだ。
街を歩けば人に親切にされるのも当然か。
愛想笑いを繰り返してる、純平をみる。

「ありがとうございました。」
純平がその女に言う声が聞こえる。

心こもってねーよ
ってツッコミたくなる。
一歩一歩と純平に近付く。

「何かお探しですか?」
「え?」
聞き覚えのある低い声に俺は振り返る。
岡崎ーっ

「お嬢さん、何かお探しですか?」
ニヤつきながら、再び同じ質問をされる。
「おっお嬢じゃねーよ!!!お前が飯置いてかなかったから腹減ってんだよ!!!勝手に家に入ったなら飯くらい置いてけよ!」
俺は怒鳴りたい気持ちを抑えて言う。
他に言いたいこと、いや言うべきことがあったはずなのに、腹が減ってた俺は先に食事のことをいってしまう。すると岡崎が面白そうに笑った。


どうやら俺はまだ嫌われてないらしいな
そう思いながら、しっかりと純平の目を見る
「本当に体は素直だな。飯か。顎は疲れてないってことだな。」
意地悪にそう言うと
純平は昨日のフェラを思い出したのか、頬を染めて下を向いた

「朝と昼・・・何食ったんだ。」
そんな優しい声で聞くな。
下を向きながら思う。

「・・・なんも食べてねーよ。」

はぁーっと岡崎がため息をつく。
「お前・・・犬見たいだな。というか、飼い犬に飯与えずに出てった飼い主の気分だ。」

「はぁ?」
と睨む純平の腕をとる。

「こい。」
そう耳元でいわれ、俺はカゴを戻してスーパーをあとにした。

「乗れ。」
「いい、俺、歩けるし。っーか、来る気かよ。」
「お前が飯作れーって泣くからだ」
岡崎は楽しそうに言う。

「ばっ!別に泣いてねーよ!!!!」

うるさい黙れと
小さく呟き、岡崎は俺にキスをした。

「っ・・・!!!!」
「ほらな、体は素直だ。俺の得意の激辛カレー作ってやる。」
「なっ・・・!!!さわんな!」

それにカレーは甘口が・・・
それは口に出せず、俺は黙った。

岡崎は上機嫌で車を走らせた。

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