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S×強気で恋になる

第12章 ひとり

不意に左肩を押され、ソファーに押し倒される。
「食わせてやろーか、あぁ?」
目が笑ってない。
やばい。

ブシューーー

煮込んでいた鍋が吹きこぼれて火が消える。
それを見た岡崎は、何も言わずキッチンへ戻って行く。

あぶねぇ。
俺は安堵のため息をついた。
助かった。
やっぱり、あいつは危険だ。さっきもキスしてきたし。。。どうしたらいいんだ。

そしてピザをかじる。

めちゃくちゃ美味い。

「美味いな、これ。」
思わず、聞こえるか聞こえないかくらいで呟く。
俺を見ていたのか、すぐに返答がきた。
「だろ。お前食事でカルシウムとらねーと、治り遅れるぞ。そのピザは特製だ。骨折なめんな。ほら、席つけ。」

俺をダイニングへと促す。
栄養管理もせず、全部インスタントで済ましていた俺には、手作り料理ってのは本当に新鮮だった。

カレーに目をやる。俺はギョっとした。
なんだこの色。。。
黒、いや赤っぽい色のカレー・・・辛そーだな。
俺はもっと黄色のが好きなのに。
「食え。うまいぞ。」
そういって、左手でも握りやすいスプーンを出してくれた。

・・・。食えねぇーだろ、これ。
カレーを見つめる俺に、岡崎は俺を脅した。

「残したら、、、お前のケツにバイブ入れて、放置するかもなぁ。飯、粗末にしちゃいかんよなぁ、純平?」
「っ。俺、辛いの苦手なんだよ!」
「5、4、3、2、」
岡崎が謎のカウントダウンを始める。
俺は焦って、激辛カレーを食べ続けた。

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