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S×強気で恋になる

第48章 小さな亀裂


ーみて、あれ
ーやばくない?岡崎先生寝てるし・・・。絵的に最高じゃん

ーあたしさ、横山さんの体温測りにきたんだけど、気がついたら岡崎先生いて入りづらくなったよー。でも、二人とも綺麗だよねー。
ーもしさ、あの二人が出来てるならゲイも許せる!!
ーえー、あたしはどっちかと付き合いたい
ーでも、義弟なんでしょ?前弟だってナース達に言ってたじゃん。


そんなヒソヒソ声に俺は目を覚ます

「・・・・・・ぅ、・・・ん・・・」

下半身に重みを感じ、目を動かして見ると、岡崎が俺の下半身を枕に寝ていた



・・・・・・夢じゃねぇ

・・・よかった、やっぱり来てくれた


岡崎のこと信じて
ほんとによかった・・・


腕ギプスとれてる
まだ力入らないや・・・


ぐっと涙をこらえる、
と岡崎が起きたのか伸びをした

パッと目が合う

言いたいことがたくさんあるのに、恥ずかしくなって嬉しすぎて目をそらしてしまう


「・・・具合は?」
「え・・・大丈夫・・・。」
「あそ。おい、入り口で何してる。起きたぞ。具合見てやれ。」

ガタッと椅子から立ち上がり、看護師をかき分けて、岡崎が病室から出て行く後ろ姿を見つめる

と涙があふれてきた



やっぱ、俺なんかしたんだ・・・
もう終わったんだ・・・


っん・・・はぁ・・・


「横山さん、大丈夫ですか?微熱ですが、ゆっくり寝てて下さいね。このタオル使って下さい。今は、情緒が不安定なだけですから安心してくださいね。また、2時間後に来ますので」

「・・・・・・ありがとう・・ございます。」


はぁ・・・
俺引っ越そうかな
今のとこで1人で暮らすのはやだし

髪をかけあげながら
手を見ると指輪がはめてあった



あれ?!


なくしたと思ったのに、ある!!!



ん?


ネックレスも・・・!!!


なんか安心した
怒ってるけど、これつけてくれたってことは
いい意味なのか?悪い意味なのか?
わかんねーけど、
岡崎が来てくれただけでよかった

ベットをリクライニングして上半身を起こす
と机の上にメモを見つけた


ー1人になったら電話しろ。S



岡崎・・・


俺のこと嫌いじゃないんなら


抱きしめて・・・ほしいな・・・









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