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S×強気で恋になる

第17章 車内での躾

「岡崎ー。おまえも呑めよー。」
酒に弱いわけではないんだろーが、ペースがめちゃくちゃ早い。呑む量もめちゃくちゃに呑む。
純平の言葉が・・・だんだん彼らしくなくなってきた。
俺は苦笑する。
こんなビジュアル持ってて、アルコール入ると人前で別人のように甘え出す。

「お前さー、絶対昔からそーやっていろんな奴期待させて、シラフで泣かせたろ?」
「はー?なんの話だよ。高校も大学もー、いーつもふあんー。」
不安・・・。こいつの根底にあるのはなんだ?
泣いてた原因か?

「お前、呑みすぎだ。俺のグラスにつぐな。」
「なんでー。あ、運転手だからかー。」
「そーだ。お前お利口にしてろ、ったろ?こんなとこでも俺を煽る気か。」

俺のグラスについだワインを、純平が飲み干す。

カツカツカツカツ
新しい客が店へやってくる

純平が振り返ってみた瞬間
女が高い声をあげた。

「え、純平じゃーん!!
覚えてる?あたしリカ。ねぇ、また抱いてよ」

純平の耳元で美女が囁くのが聞こえる。

ピシッと俺の頭で何かの音がする

俺は純平を猛烈に睨み続ける。

「あー。リカちゃん、触んな。もー抱けねーんだ。好きじゃーないー。」
純平はサラッと言う

あたりめーだ!!、
俺は心の中で叫ぶ。
わかった。とか言われたら、純平のこと監禁するところだ。

女は納得いかないのか、まだ引き下がらない。
「じゃあ、思い出ちょうだい。いきなり出て行くなんてひどい。純平の・・・俊哉さんに純平のこと言おっかな〜?」

女が携帯の画面を見せる。

突然純平が下を向き、小さく震え出した。

「ね?抱いてよ。チュッ」
耳元にキスをして、その女は一緒に店に来ていた男のとこへと戻った。

俊哉って誰だ。
「おい。リカちゃん、抱くのか?」
そうやって頭を撫でる。

ビクッと反応される。

なんだ?いつも通り撫でてるだけだろ?

純平がグラスなワインを飲み干し、俺に言う
「怒るなよー、ばかやろー。好きでもねー、女抱けるかー。気持ち悪りぃーよ、触られた。」
「そうだよな、お前は俺のモノだもんな?」
「今だけだろー。ねー、デザートは?」
話をそらされる。
それに今だけってなんだ?
車内で、めちゃくちゃに聞いてやる。

俺はそう思いつつ、
純平と料理を楽しんだ。

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