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S×強気で恋になる

第54章 純平のおもい


前実家で見たときと変わらない
どこかワイルドなおじ様というのだろうか

長身で無駄がなくて
真一と似ている目は
真一より優しかった


社長と桜田さんと取り留めのない話をして
気づけばランチどころか16時を過ぎていた


腹減った・・・
ケーキとコーヒーで誤魔化せてるし、
話面白いからいいけど、
俺お腹なりそうだよ

そう思っていると
社長が立ち上がり、秘書に耳を疑うようなことを言った


ー晩飯は食事会にして、いいところ予約しろ。航平さんと横山さんもいることだし、あのバカでも呼べ
バカは一人だろ。うちの会社に入らなかった、真一だ


「真一はバカじゃないですよ。外科ではカリスマ的存在です」
「航平さんだけだよ、そんなこと言ってくれるのは。彼には私のポストをって思ってただけあってね。隆彦も悠二も悪くないんだが、真一のあの人を惹きつけまとめあげ、先頭を切れる存在にはまだ遠いんだよ。

横山さん、晩御飯ご馳走したいんだが時間ありますか?」


社長だぞ

真一くるなら嫌なんて言えるか

てゆーか、この桜田って人
すっげーいい人だし

も、隣にいたくねぇ

そう思いながらも、笑顔で返事をした

「はい。大丈夫です。」
「君は本当に可愛いし綺麗だし、いいね俺の横に置いておきたいな。」


・・・・やめてくれ

航平ってやつと真一がいちゃつくとこなんて
みたくねぇ

俺のこと、真一の恋人だって
冗談か知らねーけど
言ってくるし

お前が付き合ってんだろ?

変なこと言うなよ・・・


「・・・・純平、顔色悪いよ?大丈夫?真一に見てもらえば?」
「いいえ。結構です。」

きっぱりとそう言われ
俺はすこしムッとした

なにこいつ

付き合ってんだよね?
真一こいつが好きなんだよね?

そんなんだったら

おれが奪っちゃうぞー!!

そう思っていると
純平が耳元で呟いた

「・・・桜田さん。ご存知の通り俺たち終わったんで。」
「え?・・・・・あそ・・・」

ご存知の通りって、知らねーよ!!
なに?


わけがわからないまま
車に乗り

高級レストランへ向かった

秘書が車を見せ前に停めると、
そこから見える近くの駐車場に
真っ赤な真一の外車が見えた


も、勘弁してくれ



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