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S×強気で恋になる

第55章 絶対離さない

ぐっと拳を握りしめると
俺の隣に座っていた航平が
俺の左手を握り、ギュッとしてくる

なんなんだよ!!

「そーだったのか。知らなかった。てっきり、真一の恋人なのかと。あぁ、航平君と縁を戻したってことか。若い子はわからんねぇ。・・・じゃあ、俺の専属にでもなるか?」
と向かいに座る親父が
親父の隣に座っていた純平に
冗談っぽく言った

航平と付き合ってねぇよ!!!
っーか、お前と別れた気もねぇよ!!!

イライラする・・・

「俺にはそんな大役務まりませんよ。おじさん、グラス空いてましたね。すみません」

そう言って純平がワインを親父のグラスについだ



・・・・純平!純平!!純平!!!


どんなに叫んでも届かない
外野に俺は放り出されていた


笑ってはいるが
どこか冷たい無表情を
俺にむけられる

どーでもよくなって
繋いだままだった
航平の手を振り払う


が、それも見透かしたような表情をされた

お幸せに

そんな顔をされる


俺はこの場でぶちまけれない怒りとイラつきを
かかえながら全然楽しくもなんともない
食事会が終わるのをただ待った

終わったら、連れて帰ろう


そう心に決めて










運転手つきだから
親父さんは加減もせずに呑み
相当酔っ払っていた

「うーん、酔っ払った。横山さん、送ってくから、俺と同じ車に乗ろう。真一、秘書一人置いてくからそいつ運転手に使え。じゃ、あとは航平さんと2人で楽しめ。さー、横山さん帰ろうか。」

「・・はい。・・・今日はありがとうございました。お先に失礼します。」

そう言って俺の前から親父と純平が
消えようとする

慌てて立ち上がろうとすると
航平が俺を掴み
体勢を崩した俺の頬に
キスをした


「ちょ、なにやって!!!」
そう言って前をみると


純平がそれを見て



また俺に背中をむけ


外へと歩きだした


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