無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

ふわっと香る香水の匂いと
この腕の感じで
誰に抱きしめられているかすぐにわかる


も、入ってくんなよ・・・

俺だって

幸せになりてーんだよ・・・！！

誰かを愛してーし
愛されてーんだよ！！！

そう思いながら身をよじる

「・・・・離してください。・・・離せ！！俺抱きしめたら桜田さん悲しむだろ！！」

「・・・・航平なんて見えてねーよ。お前しか俺には見えねぇ。」
「・・・俺にはお前は見えねぇよ！！」

そう言うと強かった真一の腕が緩まる

と同時に腕から離れ走り出そうとしたら
また腕を掴まれた

「・・・ちゃんと話そう。な？」
「やだ、・・・ヤって捨てられんのは・・・ごめんだ。」
「俺の目見ろよ！！！お前、それでいいのかよ！！！」

も、怒鳴るのやめてくれ・・・


何も答えないんじゃ、わかんねーんだよ！！
俺は神様じゃねぇって、言ってんだろ！！

そーやって心に溜め込んで
俺にはなんにもわかんねーよ！！

「純平！！俺の目見ろ。いいから見ろよ。」

逸らされていた視線を合わせると
純平が半泣きの顔になる

「も、・・・いいだろ・・・俺、お前になんもしてねーだろーが・・・。」
「俺が悪かった。話し聞かねーで、お前のこと傷つけて・・・疑って、痛ぶって・・・話がしたい。頼む。」
「・・・・・も、いいから、離せ・・」

そこまで言っても
純平は小さく震えるだけで
本気で嫌がられる

っ、こいつ！！！

「俺が、・・・俺がよくねーんだよ！！！俺がお前にどんだけ夢中で好きだったと思ってんだよ！！！それを、こんな簡単に終わらせれるかよ！！！なぁ、・・・お前も・・俺のこと好きだったから料理作ってくれてたんだろ！？ちげーの？」

「・・・・ちげーよ。・・・も、いいから、・・離せ。お前に・・俺の気持ちなんて、わかんねーよ！！もう、嫌なんだよ！！お前といると、辛いんだよ！！！」

見たこともない顔で
必死にそう言う純平の目からは
涙が溢れていた

ここが交差点だとか
人が見てるとか
そんなの関係なかった

「・・・・・純平。いいから、こい。」


嫌だと言っている純平を無視して
タクシーに乗せ家に連れて帰る


車に乗ったらその揺れに弱いのかすぐ寝るくせに
俺の横で俺の方など見ず
一睡もしなかった