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S×強気で恋になる

第18章 携帯電話

「話ってなんだ!」
「怖いなー、叫んでばっかり。・・・念のため縛っとくか?」
「その必要ないだろ!!逃げねぇから、なんだよ話って。俺もう眠いんだよ。」

男2人でキングベッドの端と端に座る。
なんだよ話って。
でもヤらないってたし、
とりあえず安心?なのか?
岡崎と目が合う。

「なあ純平。俊哉って誰だ。」

ビクッと純平の体が震える
さっきまでの威勢は消えていた。

「・・・なんで知ってんだよ。」
「で、誰だ俊哉は。」
「お前に関係あんのかよ!!、」
「言わなきゃ・・・犯すぞ。」
俺はいつも通り、ニヤっと笑った。
しかし、
「犯すならはやくやればいーだろ!!・・・お前も俊哉経由か。俺に近づいたのは。いくら払ったんだよ。」
消え入りそうな声で言う。

おいおいおいおい、いつもと全然違って
話しにくいな。俺は焦ってしまう。

「は?いや、ちげーよ。っーか泣いてんのか?」

純平の目に涙が溜まる。
「もーいーよ、めんどくせぇーな。お前も一回ヤったんだから帰れよ。」

そう言ってベッドに横になる。
俺は困惑していた。
なんの話だか分からんが俺に身に覚えはない。

髪を撫でながらなだめるように聞く。

「俺は昨日、りかちゃんが言ってたから気になっただけだ。俺は俊哉を知らない。お前が話したくないなら、今日は聞かない。この話しはやめだ。」

そう言って、純平の横に添い寝する。

純平が震えている。

「もう聞かないから、泣くな。美人が台無しだぞ。」


・・・突然純平が仰向けになる。

「俊哉は・・・俺の、兄貴だよ!!!それだけだ。寝る。」

「そうか。わかった。寝ような。電気消すぞ。」

まあ、無理には聞けない感じだな。
おちおち聞くしかなさそーだ。
その前にりかちゃんに電話でもすっか。

俺はそんなことを思いながら、
珍しく俺の方を向いて寝ている純平の顔を見つめた。


俺、いじめたい以上に


お前のこと


好きなのかもな。


不意に目を開ける。
目が合う。
「ん。っ、おい。岡崎。こっち向いて寝るな。あっちむけ。寝顔見るな。」

突然起きた純平にそう言われる。

「あっちだ、こっちだ、って難しいな。黙って寝ろ。」
そう言って俺の胸の中に入れる。

しばらくジタバタしてたが、
俺が石膏の上、つまりギプスの二の腕をぐっと掴む無言の脅しに屈したようで、純平は眠りに落ちた。

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