S×強気で恋になる
第56章 傷痕
なんの相談だ?
いつもみてーに飯食い終わって
食後に紅茶でも飲もうと
お湯を沸かしながら、そんなことを考える
真ん中の大皿の唐揚げをとるときに
何回かビクッてなって
手を引っ込めてるのは
違和感を感じた
けど、それくらいで特になんか思いつめてる感じはねぇんだよなー
そう思いながら、コップにお湯を注ぎ
ソファーでじっとしていた
純平にコップを差し出す
「ほら。・・・お前の家だろ?お前がやれよなー」
「わりーわりー。和也、動くのはえーんだもん。」
「そっちずれろ。俺もソファーに座らせろ」
そう言って隣に座ってくる
テレビがついていたが
何も聞こえなくなっていた
っ、言いづれー・・・
「「なぁ・・・」」
「なんだよ!かぶんな!!」
「こっちのセリフ。純平、先に言って。」
「・・・・お前ピアス・・開けてる?」
「は?ピアス?昔両耳開けてたけど、社会人なってそんなんしねーし、閉じたんじゃね?腕時計は趣味で集めてるけど。なんで?お前、耳空いてねーじゃん」
「だよなー・・・・。」
「んだよ!言えよ、言え、このやろー!!」
和也がガキみてーに
俺を突ついてこしょばしだす
「ちょ、やめろって、わかったから、も、和也、っ、いた!!!!っ、・・・・・」
「・・・?わりぃ。痛い?は?痛いことしてねーだろ。見せろ、上半身脱げ。」
「いきなり命令口調なんなよ。お前がその口調だと、真一みたいで怖ぇーんだよ。わかったから、やめろ」
「お兄ちゃんが脱がしてやろーか?」
「ばか、ふざけんな!引くなよ?俺だって、不本意なんだからな・・・」
そう言って、パサッとシャツを脱ぐと
左の胸の乳輪と乳首の境目付近に
真横に小さく細いリングのような棒が刺さっていた。
「・・・・・!!」
「っ、黙るな。・・・昨日あいつが、刺したんだよ・・これどーしたらいいか、もぅ痛いし・・なんか・・」
「ちょっと、ちょっと待て。それ、痛いのか?っーか、お前ら大丈夫か?」
「痛い・・・・し、敏感なってる気がして・・なんかこれついてんだって一日意識してたら、やばかった。」
いやいやいや、泣きそうになってんじゃねーよ
真ちゃん、鬼だな・・・
でも、純平身体綺麗だな
さっきはビックリしたけど、なんか改めて見たら逆に芸能人ぽい、っーかなんか似合う?あれ?俺がおかしいのか?