S×強気で恋になる
第61章 俊哉×航平
純平が駅までショートカットしていた細い路地を通ると、植え込みのところに鞄が置いてあった
誰かの忘れ物?
・・・これ純平のだ
走って鞄を持ち上げ中を開けた
家の鍵も携帯も手帳も全部入ったままだ
落ち着け
これって純平連れ去られたってこと?
とりあえず俊哉だ
人雇って俊哉探さねーと
・・・やべ、体震える
純平どこ行った?
なんで俺昨日電車で行かせたんだ
いつも送ってやってんのに
なんで
俺のセーだ
っくそ
ゴツゴツとアスファルトを殴る
くそ、くそ、っくそー!!!!!!
血が出るほど殴って怒りぶつけていたら
後ろから誰かに抱きしめられた
「っ、誰だ!!!!・・・・・航平!?」
「通りかかったから。何してんの?痛いだろ、そんなことして。手当てしてあげるから、こっちきて」
そう言って航平がそっと腕をとる
のを思いっきり振り払う
「いいってんだろ!!・・・俺にもう関わるな。」
「でも、真一の体流れてる血は俺のだよ。俺たち一心同体じゃん。あんなに輸血してあげたのに、別れられない。俺まだお前のこと」
「それ以上言うな。言ったら殺すぞ。」
「・・・真一変わったね。俺のことすっげー好きだって言ってたのに。結局いつかは純平君も捨てるんでしょ?全部真一の機嫌じゃん。」
そう言って航平は踵を返して歩き出す
俺は
純平のこと・・・
寝よ、一回。
俺これ以上考えたら死ぬ
寝て頭スッキリさせよ