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S×強気で恋になる

第61章 俊哉×航平

朝になり俺は憎しみと怒りを抱きながら、そしてほんの少し心の何処かでドキドキしながら

インターホンを押した


「はーい。・・・・あの、どちら様でしょうか?」
「・・・・真央ちゃん?」
「え?・・・・・あの、・・・お兄ちゃん?」


俺より二つ下の真央ちゃんは
綺麗な立派な女性になっていて
俺に少し口元が似ていた


「・・・お母さん、お母さーん!!」


お母さん・・・か



出所してからあの人は真央ちゃん達の家庭に戻ったって聞いたけど、なんか幸せそう


丁寧に手入れされた庭や
鉢に植えてある花を見る


俺がいたから


俺のお母さんの人生狂っちゃったのかな


そんなことを考えてると
どこか面影のあるようなないような


おばさんが出てきた



「あんた純平やろ。あの人によう似てきとーわ。ほんで、・・・なんのよう?慰謝料払ったし、用ないやろ。顔も見たくない。なんやデカなって、稼ぎがあるならお金ちょーだい。」


言いたいことはたくさんあった


けど、どれも言葉にならない


何も考えられない
ただ、来なきゃよかった






そう思っただけだった





「俺は・・・、俺は・・・!!!」
「なに?泣きにきたの?言っとくけど、あんたに愛情なんてないし、あんたもうあたしの子じゃないからな。産んだこと自体間違いやってんて。・・・・純平ごめんなぁ」

「ちょっ、待って!!あ、・・・」


バタンっと玄関が閉まると同時に、チャッと鍵の音がした


あ・・・・



はぁ、・・とりあえずここから離れるか




あはは



なんか笑える



俺バカだ




こんなのわかってたことなのに
ほんと、馬鹿だ



あーあ、疲れちゃった




ー純平、ごめんね





なんだよそれ




ほんと、・・・




疲れたよ




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