S×強気で恋になる
第62章 旅行が教えてくれたこと
俺が近づいても目を閉じたままの純平
いつもなら昔寝込み襲われすぎてか
パッと気配を感じたら周りを見たり
誰!?とか言うのに
純平は静かに目を閉じ無防備なまま
風に揺られ、日向ぼっこをしているみたいだった
何か連れ去ってくれるのを待っているような
そんなさみしい背中
心がぐっと痛くなる
なにしてた?
なんで神戸?
なに考えてる?
なに思ってる?
俺に・・・・教えて
そう思いながら後ろから抱きしめた
「・・・・」
「ファミレスにいろったろ。心配させんな。」
「・・・クーラー寒かったから。」
「ここ暖かいもんな。寒いところで待たせてごめんな。」
そう言うと純平が、小さな声で驚いた
俺の腕の中にいる
そう思うと離したくなくて、愛おしくて
何度も抱きしめ直しながら
深く深く抱きしめ
首筋に顔を埋めていた
純平の体が、暖かくも冷たくもなくて
抱きしめてんのに
抵抗するわけでも順応するわけでもなくて
悲しくなる
なんでかわかんねーけど
俺が泣きそうだった