狼男子の扱い方
第8章 中学での行為
それからというもの
もともと成績順で決まってた席で
あたしとありさちゃんは
前後だったため、
積極的に話すようになった。
もちろん、涼ちゃんを含んで。
「あっ!やっば!
涼ちゃん、先塾行ってて?
忘れ物しちゃった」
いく日が過ぎ、
いつもの塾のじかん
あたしはテキストを忘れたのに気づき
涼ちゃんを先に行かせた。
「おぉ、わかった!
遅刻すんなよー?」
「はいはいっ!」
この行動で、
涼ちゃんとありさちゃんの距離が
ぐっ、と近づいたんだ。
────
「はぁ……まに、あったぁ……」
自転車を急いで停めて、
窓から見える教室をのぞく。
そこに映ってみえたのは、
ふたりきりで仲良く話す
涼ちゃんと、ありさちゃんだった。
「……っ」
自分で協力しといて
こんなに傷付いて……
なにやってんだろ。