狼男子の扱い方
第8章 中学での行為
「っ…」
握りしめた手を
ちらっとみつめ、
あたしは涼ちゃんの教室にむかう。
ガララ、と大きな音で扉を開き
ぼーっと立ちすくむ涼ちゃんの
目の前に立った
「…涼ちゃん…っ!」
下をうつむく涼ちゃんの
顔を覗きこんで
あたしは涼ちゃんの両肩をつかむ。
「っ…」
いつもの元気な涼ちゃんは
そこにはいなくて
今にも泣きそうなほど
弱々しい涼ちゃんがいた。
目の光がなくなってる
…苦しいよ
苦しいよ…涼ちゃん……
そんなかお…しないで……
「涼ちゃん……あの…」
「……喋んな」
低く、
こわい声──
…でも、ほっておけない……
「っ涼ちゃん…!
はやく、帰ろう?」
「なんなの。
同情?」
無表情だった
涼ちゃんの顔が
さみしい目なのに
口だけ、
バカにするように笑っていた