狼男子の扱い方
第8章 中学での行為
間近に迫る涼ちゃんの顔は
いつもなら
直視できないほど
大好きなのに
今は
こわい……。
「っや!!」
両手を壁に押し付けられ、
まったく動かない
そとからも
ちょうど見えない位置
「なぁ……キス、させろよ」
─っ!?
「っいや、いや!」
おかしい…涼ちゃん、おかしいよ!!
「なんで!?
ありさちゃんのこと、
好きなんでしょ!?」
あたしは
怖くて下を向いたまま叫ぶ
「───もう、なんでもいい」
「……え」
そういった涼ちゃんは
力なしに笑った。
そのまま、
片手だけを
あたしの手からはなし、
くっ、とあたしの顎をあげて
無理矢理
キスをおとした。
「っ、んんん!!!」
─やだ……っ!
こんなの、やだ……っ
そう思っていても
涼ちゃんの力に及ぶわけもなく
耐えることしかできない
─こんな…ファーストキス……っ
ぐぐっ、と押し付けられる
涼ちゃんの柔らかい唇が
少し開く
ニュル…と
生暖かいものを
口のなかで感じた。
「っ!ん、っ!
っは!ふぁ!!」
くちゅぐちゅと
あたしの口の中を
涼ちゃんの舌が
いじくり回す
「ふぁ……んん…」
抵抗する気力も失せたあたしは
ただただ
涼ちゃんが飽きるまで
なにもしなかった。
喜びも
嬉しさひとつない、
決して甘くない
そんなキスだった。