狼男子の扱い方
第11章 夜、正門での行為
階段を昇りおえ、
ふと顔をあげた瞬間
背筋が凍るような
感覚に襲われた。
……なんで いるの
今
一番会いたくない人が
あたしの教室の入り口にたっていた
玲音はあたしを睨み付けると
そのままぐんぐんと
あたしに接近し、
あたしの鞄を持つ手を
思いきり掴みとると
涼ちゃんと真紀を押し退け
昇ったばかりの階段を下らされた
「ちょ、玲音!?」
─やだ…また、なの?
ぞっ、と鳥肌がたち
玲音のつかむ腕を思いきり振る
けれど
男の力に逆らうことなど
できるわけもなく
あたしは一階の階段のかげにはいる
ところで壁に押し付けられた
「っ…」
─やっ…!
─あれ…?
思いきり瞑っていた目を
そっと開くと
眉をしかめる玲音の姿が
目にはいった。
そして
玲音はあたしの顔の真横に
顔をよせ、
耳元にフッと息をはいた。
「っ!」
あたしのからだは
ぴくんと反応する
「今日、帰り正門で待ってろ。
もしお前がいなくても
俺はずっと待ってるからな」
玲音はそれだけ呟くと
あたしの前から退いた。