狼男子の扱い方
第11章 夜、正門での行為
泣きつくあたしを
涼ちゃんはゆっくりはなし、
心配そうな顔でみつめる。
「…一緒に、て……?」
「っ怖いの…
玲音が……怖い」
絞るように声をだし
あたしは涙をながした
「…」
涼ちゃんはなにも言わずに
また、あたしを抱きしめた。
そんな日に限って
時間ははやく過ぎてしまうもので…
あっという間に下校を知らせる
チャイムがなった。
「っ…」
『正門でまってろ
いなかったらずっとまってる』
─……早く、帰らなきゃ
あたしは涼ちゃんのそばまで
駆け寄り、袖を引っ張る
「っ涼ちゃん、早く帰ろ…?」
ひとりでなんて…帰れない
真紀と、なんて思ってたけど
あのこは部活だから…
涼ちゃんのまわりからの
痛い視線を浴びながらも
涼ちゃんはあたしにふわりと
微笑んで了承してくれた。