狼男子の扱い方
第11章 夜、正門での行為
いるはずなんてない
そう、心に思いこませてたのに
どうして…いるの?
玲音は、すぅー…と
門にカバンを押し付けながら
もたれ座り、寝ていた。
…っ
足が、動かない…
そんなとき、
ぴくんと、
玲音の肩が動いた。
「っれお…っ……」
なぜか、いまさっきまで
動かなかったのに
あたしは玲音の目の前に
しゃがんでいた。
そっ…と玲音の腕に触れると
ぐいっと思いきり引っ張られ、
あたしのからだは
玲音のなかに飛び込んだ。
「っわ…」
「……お前…きたのか?」
あたしの存在を確かめるように
ぎゅうっと抱きしめる
そんな玲音のからだは
冷たく冷えていた
からだから伝わる冷たさに
あたしは、
罪悪感に包まれた
「っ玲音…ごめん…ごめんっ…」
玲音の考えなんて
なにも、わからない
だけど
今回のは
あたしが悪かった。
玲音は待ってるって…
…ほんとに、いてくれたのに
あたし…
「美華」
「っ…玲音…帰ろ?」
こんな長い間
玲音はずっと外にいた…
風邪引いちゃうよ
「───やだ」
「─え?
っきゃ!?」