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月夜の下で…

第2章 ~ 告白と嫉妬 ~

 
 
 
「おいっ
 真田と一年の月野が付 き合ってるらしいぞ」 
「セフレの間違いじゃね ぇの?」
 
「情報によれば
 昨日‥廊下で抱き合っ てたみたいだぞ」
 
 
 
予想は的中し…
教室に入るなり、ヒソヒソと話をしているクラスメイト達の会話が耳に入ってきた。
 
でも聞こえないふりをして、窓際にある自分の席に座った。
 
 
その噂が広まり、誘いのメールがいっさい来なくなった―――…
 
 
 
 
 
昼休みの二年A組の教室…
 
みちるが座っている前席の椅子に後ろ向きで座って、パンを頬張る楼の姿があった。
 
 
 
「それだけで足りるの? 」
 
「オレ
 料理苦手だからさぁ~ 」
 
「一人暮らししてるんだ っけ?」
 
「まあねっ
 今度遊びに来るか?」 
「えっ…」
 
 
 
何気ない一言に動揺してしまい、持っていたはしを落としそうになった。 
 
 
 変に意識しちゃってド キドキしてきたっ…
 
 
 
頬を赤くさせながら、弁当のふたを開けた。
 
 
 
「それ自分で作ったのか ?
 すごいうまそう!」
 
「うん
 良かったら食べる?」 
「食べる!
 じゃあ‥玉子焼き」
 
 
 
満面の笑顔でそう言うと、口を大きく開けた。
 
 
 
 これって…
 食べさせろってことか な…?
 
 
 
人目を気にしながらも、少しぎこちなく玉子焼きを口の中に入れた。
 
 
 
「すげぇうまい!」
 
「そーお?
 じゃあ明日から楼の分 も作ってくるよ」
 
「マジでっ?
 すげぇ嬉しい!」
 
 
 こんな風に
 好きな人とご飯食べる なんて夢のよう‥‥
 
 
「みちる」
 
 
 
聞き覚えのある優しい声に、ハッとドアの方に視線を走らせると…
 
優しそうな目をした、爽やか美少年風のイケメンの姿があった。
髪は茶に染めていて、耳に少し掛かる程度のサラサラヘアーは、つい触ってみたくなってしまう。 
 
 
 森崎先輩…
 
 
「少しいいかな?」
 
「はい…
 ごめん‥ちょっと待っ てて」
 
「…わかった…」
 
 
 
不機嫌そうな楼を気にかけながらも、森崎先輩と教室を後にした。
 
 
 
 
 

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