
月夜の下で…
第2章 ~ 告白と嫉妬 ~
長くて退屈な午前の授業が終わり、前席の椅子を借りて後ろ向きに座っている楼…
みちるは、大きめの包みから二段式の弁当を取り出しふたを開けた。
一つにはおにぎりが入っていて、もう一つにはポテトサラダ・生姜焼き・アスパラベーコン炒め・煮物と、バランスのとれた内容だ。
「すげぇうまそう!
みちるって料理の才能 あるんじゃん?」
「そんなたいした物作っ てないから
煮物なんて昨日の残り だし」
「オレにとってはかなり すごいけど!
んじゃあいただきます 」
美味しそうに弁当を頬張る楼を見て、自然と笑みがこぼれた。
「そういえば
楼は部活しないの?」
「んー?
部活なんてしたら
みちるとの時間がなく なっちゃうじゃん
オレ‥一秒でも長くみ ちるといたいんだ!」
「そ‥そう…」
サラッとそういうこと 言うから
変にドキドキするっ…
「ってことで
放課後デートしよう! 」
「えっ…う‥うん」
そういえばデートって 初めてだ…
いつも用が済めばそれ で終わりだったし…
楽しみ‥だな…
嬉しさと期待を胸に、みちるはおにぎりを口にした。
