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月夜の下で…

第2章 ~ 告白と嫉妬 ~

連れて行かれた喫茶店は、落ち着いた雰囲気でゆったりとした曲が流れていた。
学生のお客は一人もいなく、スーツ姿のサラリーマンや大人のカップルが多い。
 
楼とみちるは、窓際の一番後ろにある二人用のテーブルに座っていて、緊張気味にジュースを飲んでいた。
 
 
 
 なんか…すごい場違い な気が…
 
「大人な感じの店だね
 …どこで知ったの?」 
「クラスの女子から教え てもらったんだ
 すげぇ雰囲気がいいっ て言ってたから連れて きたけど
 …ちょっと静か過ぎる よな‥‥」
 
「少しね…」
 
 確かに雰囲気はいいけ ど
 ちょっとレベル高いな ‥‥
 
「みちる…?」
 
 
 
背後から聞き覚えのある優しい声が聞こえ、ハッと振り向くと…
本を片手に立ち尽くす森崎先輩の姿があった。
 
 
 
「あ‥‥」
 
「君達もここの店によく 来るの?」
 
「い‥いえ
 今日初めてで‥‥」
 
 
 あんなことがあった後 だし
 ちょっと話すの気まず いなぁ‥‥
 
 
「オレらデート中だから 邪魔すんなよ」
 
「ろっ楼っ!
 そんな言い方―――」 
「いいんだよ
 …じゃあ俺は向こうに 行くね
 またね‥みちる」
 
 
 
優しく微笑むと、落ち着いた足取りで空いている席の方へ歩いていった。 
 
 
 まさか森崎先輩に会う なんて思わなかったな ぁ‥‥
 この店‥よく来るのか な…?
 
 
「なんであいつのことか ばうんだよ」
 
 
 
面白くなさそうにそっぽを向いてしまった楼‥‥ 
 
 
「いっ一応先輩だし… 」
 
「ふ~ん‥‥」
 
 
 楼…
 もしかして拗ねてる‥ ‥?
 
「…場所変えない?」
 
「じゃあ‥オレん家…」 
 
 えっ…
 
 
 
真剣な眼差しで見つめられ‥頬が赤くなっていくのと同時に、胸が高鳴りだした‥‥
 
 
 
「‥‥いいよ」
 
「え…マジ…?」
 
「うん
 どんなとこに住んでる のか見てみたいし!」 
 
 
意外だったのか、楼はキョトンとみちるを見つめた―――…
 
 
 
 
 

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